理工学ペイロード

Ka帯通信実験

DESTINYは地球から約150万km離れたハロー軌道から大容量のミッションデータを送信することがあります.そこでミッションデータ送信用にKa帯のダウンリンク回線を構成し,その性能・運用性を評価します.これは高速大容量通信を必要とする深宇宙探査で特に有用で,将来の深宇宙探査ミッションの多くで使用が見込まれます.

運用の自律化・効率化

DESTINYはイオンエンジンの長期間運転を経て、地球から約150万km離れたハロー軌道に至ります.イオンエンジン運転中は弾道飛行中と比べて運用負荷が高く,またハロー軌道到達時にはあまり良い通信状況を確保できない状態での運用となる.そこでDESTINYの衛星マネジメント系を自律化・高機能化およびコマンド運用・テレメトリ取得を効率化することで,その運用性を評価します.この技術は通信速度が低く,また通信遅延が大きい将来の深宇宙探査ミッション全てでの使用が見込まれます.

ハロー軌道遷移・維持の軌道制御

DESTINYはハロー軌道に到達し,1周回以上軌道を維持します.軌道投入のリスク低減と軌道制御量を抑制するために力学系理論に基づいた軌道制御手法を用い,その性能・運用性を評価します.この技術はハロー軌道で運用される次期赤外線天文衛星SPICAで使用される計画です.

理化学観測機器

DESTINYは所定のミッションを全て達成(フルサクセス)した後に,更なる追加ミッション(エクストラサクセス)として理工学実験の実施を想定しています.想定されているミッションは以下の通りであり,それぞれの理学的重要性,観測機器の質量・観測条件などを総合的に加味し,搭載する観測機器を決定します.
地球圏プラズマ撮像
地球圏太陽風相互作用の時間空間変化を初めて全貌・高頻度観測します.
小惑星Phaethonフライバイ
世界初の流星母天体(彗星-小惑星遷移天体かつ地球接近天体)探査を実現します.
黄道面外からの宇宙背景放射観測
宇宙望遠鏡を初めて惑星間空間に設置し宇宙の始まりを観測します.
紫外線望遠鏡による太陽系外惑星観測
ジオコロナ(地球から流出する水素の影響が無い深宇宙の高高度軌道)からから脱出して太陽系外惑星を観測します.

理化学観測機器搭載例